大日如来とは…

真言密教の教主で、あらゆる仏の頂点に立ち、どんな願いも叶えてくれる心強い仏様とされています。

大日如来とは、宇宙を治める絶対王者であり、あらゆる仏(如来・菩薩・明王・天部)のトップに立つ、もっとも偉大な仏さまです。

大日という名前には、「大いなる太陽」という意味があります。

その名が示すように、大日如来は偉大な光で世界のすべてを照らします。

 

宇宙に存在するすべての生命は、大日如来から生まれたとされています。

また、釈迦如来を始めとするあらゆる仏は、大日如来が姿を変えたものであるとも考えられています。

 

大日如来は、仏教が独自に発展した密教という教えの中で生まれました。

 

密教とは…仏教とヒンズー教が融合して生まれた宗教です。

「真言」と呼ばれる呪文や「護摩」と呼ばれる火をたく儀式などの特徴があります。

人々は大日如来と一体になることによって、人は生きたまま仏になれると説いています。

 

密教は金剛界と胎蔵界と呼ばれる2つの世界があり、それぞれの世界の中心に性格の異なる大日如来がいます。

・金剛界の「金剛」とは金剛石(ダイヤモンド)のことをいいます。

金剛石のように何があっても壊れない「大日如来の智慧」を表した世界を金剛界といい、この中心にたたずむのが金剛界の大日如来であり、その偉大な智慧を人々に伝える役割を担います。

金剛界の大日如来は、ほかの如来たちとは異なる姿で表され、菩薩のように宝冠や瓔珞などの豪華なアクセサリーを身につけ、智拳印という特殊な手のポーズをしています。

宇宙の絶対王者である大日如来は他の如来とは別格であるため、華やかで威厳ある姿をしています。

 

胎蔵界の「胎蔵」とは、お母さんのおなかの中(胎内)のことを示します。

母のようにすべてを包み込む「大日如来の優しさ」を表した世界が胎蔵界です。

この胎蔵界の中心にたたずむのが胎蔵界の大日如来であり「さとり」という偉大な心を人々と分かち合う役割を担います。

 

「さとり」とは…

「迷いを捨て、世界のすべてを知る」という、大いなる気づきの心。

 

胎蔵界の大日如来も(金剛界と同じように)菩薩のような華やかな姿をしています。

手のポーズは金剛界とは異なり、お腹の前で両手を重ねた法界定印を結びます。

(胎蔵界の大日如来に特有の印相。釈迦如来や薬師如来が結ぶ禅定印と同じ形をしていますが、大日如来が結ぶと法界定印と呼び名が変わります)

 

現世安穏、所願成就。また、未・申年生まれ守り本尊です。

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